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「正行」と「助行」 ー長者窮子の譬喩ー

新緑の季節がやってきました。毎年5月13日に当山では千部経会を行っております。今回は、法華経の第4章「信解品(しんげほん)」を紹介します。

【法華経の慈悲と成仏への道】

法華経「信解品」では、お釈迦様が「長者窮子(ちょうじゃぐうし)の譬喩」を通して、自信が持てない修行者たちに、全ての人が平等に成仏できることが説かれます。

~ある長者の子が、自分を卑下し家出をした。子は放浪し困窮しながら、何十年も国々をさまよっていた。あるとき父の屋敷にたどり着き雇われるのだが、貧しさがしみつき長者を父ときづくことができませんでした。そこで父は、子と共に段階的に仕事を与え、少しずつ屋敷になじませ、やがて子が一人前に成長すると、父は屋敷の人々に、彼が自分の息子であることを明らかにし、一切の財産を与えた。~ 『妙法蓮華経信解品第四』

物語では、「息子=衆生」を、「長者(父)=仏」が屋敷の中で掃除などの身近な仕事を一緒に行いながら段階的に導き、最終的に「全財産=悟り」を譲ります。これは、お釈迦様が人々に合わせて段階的に様々な教えを説き、自信を持たせてから法華経の教えへと導き、悟りの道を開くことを象徴しています。

日蓮聖人の言葉の中で「正行」と「助行」という言葉があります。

  • 正行(しょうぎょう): 最も肝心な修行であり、法華経の功徳が凝縮された「お題目(南無妙法蓮華経)」を唱えること。

  • 助行(じょぎょう): お経の読誦や写経、日常生活での思いやりや合掌など、お題目の理解を助けるための修行。

私たちは、日々の「助行」を通じて仏の教えに親しみ、心を整えることで、根本である「正行」へと導かれます。当山でも昨年から、みなさまにお経に慣れ親しんでもらうためにお経の解説をしながら、お経練習を行っております。

迷いや不安があっても、一歩ずつ修行を重ねてお題目を信じ、お唱えすることこそが、誰もが仏になれる「成仏」への確かな道なのです。

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