卒塔婆供養とは
暑い夏が始まり、今年もお盆が近づいてまいりました。
お盆は、日本では宮中行事として始まり、奈良時代から今日まで受け継がれてきた伝統行事です。お盆は、亡き人との繋がりを最も身近に感じ、ご先祖や父母に感謝し、供養を行う大切な日とされています。
お盆にお墓参りに行くと、後ろに立てられた木の板「卒塔婆(そとうば)」を目にすることがあります。これは、インドの言葉で「お釈迦様のお墓(塔)」を意味する「ストゥーパ」を語源としています。
日本にある「五重塔」もストゥーパが発展したものです。しかし、一般の人が五重塔を建てるのは難しいため、お盆などの法要の際、誰でも供養の心を表せるよう木の板に簡略化したのが卒塔婆の始まりです。上部がギザギザしているのは、五重塔の屋根を表しています。
仏教では、塔を建てること自体が大きな善行であり、その功徳は、ご先祖や故人だけでなく、供養する人自身にも及ぶと説かれています。
日蓮聖人も卒塔婆供養について説かれています。
「~ みまかりぬる、幼子のむすめ御前の十三年に、丈六の卒塔婆をたてて、其面に、南無妙法蓮華経の七字を顕しておわしませば、北風吹ば南海の魚族、其風にあたりて大海の苦をはなれ、東風きたれば西山の鳥鹿、其風を身にふれて、畜生道をまぬかれて、都卒の内院に生れん。
況や、かの卒塔婆に随喜をなし、手をふれ、眼に見まいらせ候う人類をや。 ~」
『中興入道御消息(なかおきにゅうどうごしょうそく)』
(現代語訳)
亡くなられた(中興入道の)幼子のむすめ御前の十三回忌に、大きな卒塔婆を立て供養された。その塔婆の表に南無妙法蓮華経の七字の題目を書き表せば、北風が吹けば、南の海にいる魚たちがそのお題目の風に触れて大海の苦しみから脱し、東風が吹き来たればその反対の西山の鳥や鹿がその風に身を触れて畜生道をまぬがれて、天上界に生れることができるのである。いわんやかの卒塔婆に随喜し、手を触れ眼に見る人達の功徳は計り知れない。
卒塔婆供養は、故人を偲び、命の尊さやご縁への感謝をあらためて見つめ直す機会にもなります。また、残された家族が心を一つにして感謝の気持ちを表し、仏縁を深め、故人への思いを未来へとつなぎ、自らの心を育む大切な修行です。
お盆は、先祖供養の大切な行事です。従来通りの形で行うことが難しい場合でも、それぞれのできる範囲で心を込めてお盆をお勤めし家族と一緒に供養しましょう。
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